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第90話  

この二人は、彼と生死を共にしてきた兄弟分だ。阿部破軍は、彼らを助けてやりたいと思っていた。

三人は帰国後、稼いだお金を、亡くなった仲間の家族にすべて渡したため、彼らも今頃は生活に困っているだろう。

森岡翔のような大物の護衛として、共に戦うことができれば、これほど心強いことはない。

「そうか?そんな頼もしい仲間がいるのか?すぐに呼んでくれ、何人でも構わない、最高の待遇で迎えてやる」森岡翔はすぐに言った。

阿部破軍のような能力者は、何人いても困らない。彼には、金はいくらでもあるのだ。

「俺たちと一緒に海外に行った仲間は、12人いました。しかし、生きて帰ってこれたのは、俺たち3人だけです。残りの9人は、二度と故郷に帰ることはできませんでした」阿部破軍は、沈んだ声で言った。

「辛かったね」森岡翔は、阿部破軍の肩を叩いて言った。

「大丈夫です。俺たちは、地獄の底から這い上がってきた男です。これくらいで、くじけるわけにはいきません」

「そうか!では、明日、二人を連れてきてくれ」

「かしこまりました、森岡さん!」

森岡翔が江南インターナショナルマンションに戻った時、すでに夜の11時を回っていた。

さっとシャワーを浴びて、森岡翔はベッドに横になり、スマホをチェックした。

多くの人から、メッセージが届いていた。

佐野紫衣:「森岡翔さん、いつ時間がありますか?両親が、森岡翔さんに食事をご馳走したいと言っています。助けていただいたお礼をしたいそうです」

森岡翔:「いいよ!たいしたことじゃないんだ!」

森岡翔がメッセージを送信してしばらくすると、佐野紫衣から返信が来た。

佐野紫衣:「森岡翔さんにとっては、簡単なことだったかもしれませんが、私たち家族にとっては、本当に助かりました」

森岡翔:「分かった!ただ、この2日間は少し忙しんだ。来週にしよう!」

佐野紫衣:「はい!では、連絡をお待ちしています」

森岡翔は、佐野紫衣とのやり取りを終えると、今度は村上祐介からのメッセージを開いた。

村上祐介:「翔、大丈夫だったか?今日のことは、本当にありがとう!お前が来てくれなかったら、俺と敏は、どうなっていたかわからないよ!ところで、どうして俺が富麗金沙の47号室にいるってわかったんだ?」

森岡翔:「俺は大丈夫だ!もう家に戻って、これから寝るよ。お前が、富麗金沙4
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